2012年5月22日火曜日

〇奈良「薬師寺」の近況

南門

中門。左に「西塔」が見える。

中門。右手に工事中の「東塔」の覆い屋が見える。

中門を潜ると正面に金堂。

金堂本尊・薬師三尊像(国宝・白鳳時代の鋳造仏・銅造)

薬師如来像の横顔

向かって左脇侍の月光菩薩像・国宝。

中尊・薬師如来坐像・国宝。
向かって右脇侍・日光菩薩立像・国宝。薬師寺のガイドパンフには、日光・月光両菩薩のことを「動きのある美しい姿で、理想的な写実美を完成した仏様といわれています」と自賛しているし、耳目にする意見も皆同様なのだが、吾輩は異論を有する。それは北近江・渡岸寺(どうがんじ)の国宝・十一面観音立像と出逢って以来抱き出した異論。この両菩薩の腰の捻り方と全身の在り方は不自然でその動きは美しくないのだ。ここに写実美はない。

↓ これが、渡岸寺観音堂の十一面観音立像・国宝。平安時代前期の作といわれる。木造。名も伝わらない仏師の作だが、これぞ完成された写実美の最高傑作。腰の捻りが自然な全身の動きを誘い、得も言えぬ美しい姿態となり見事な芸術を感じさせる。このような芸術家が平安の古い時代に地方に生きて渾身の力を凝集してこのような傑作を後の世に残していってくれたことに吾輩は感謝の念を禁じ得ない。と共にこのような芸術家を既に古代において持っていたことに誇りを感ずる。

金堂の後ろの大講堂

大講堂の本尊・弥勒三尊像・重文・白鳳時代。

弥勒三尊像の背後に、国宝・仏足石・天平時代、があるのだが、美術的価値はないので吾輩の関心を惹かない。吾輩の関心は、仏足石の両側に居並んだ平成の釈迦十大弟子像。中村晋也作。

現代の十大弟子像として確かな存在価値がある。芸術性を感ずる。





↓西塔

↓東塔は覆い屋の中。もう解体されているはず。修復工事が完了するのに十年間を要する。あと八年。
以下は、修復工事にかかる前の東塔の傷み様を示す写真。






以下、白鳳伽藍から玄奘三蔵院境内に移る。



↓ 薬師寺・大駐車場に七尾市の丸一観光のバスが入ってきて懐かしかったので写してみた。もう一台来た。それだけのことf(~_~;)。

0 件のコメント:

コメントを投稿