台風が関西に接近しているらしいが(正確な情報は得ていない)、滋賀県栗東から奈良市西ノ京「唐招提寺」に午前十時に到着。雨脚がかなり強い、が、風はない。
唐招提寺は、759年・奈良時代に、唐僧・鑑真和上が、朝廷から新田部親王の旧宅の地を賜って開創された。我が国最初の本式の戒律を伝える寺院。伽藍配置はほぼ奈良時代・天平の昔の有様を伝える。現存する建造物・仏像のほぼすべてが国宝・重文というとてつもなく貴重な寺院。
南大門
国宝・金堂。奈良・天平時代の建立。
〇以下の写真は「唐招提寺の仏たち」(唐招提寺発行)から引用。
金堂内陣の諸仏像を向かって左側から見たもの。三尊は、手前から、千手観音立像・盧舎那仏坐像・薬師如来立像。盧舎那仏は華厳経・梵網経の教主であるが、このような三尊構成が如何なる教義に基づくものかは定説がない。鑑真(ないし弟子義浄・如宝)の個人的構想に基づくと見るしかないとされるが、その構想を成り立たせる教義・教理については説明に成功した者はいないよう。金堂の諸仏像の安置形式は、奈良時代の創建以来の形式をそのままに伝えていると謂われている。稀有。金堂内には9体の仏像が安置されているのだが、そのすべてが国宝というすさまじさ。入れ物の金堂建物も国宝であり、最近屋根のてっぺんで向き合う「シビ」も国宝に指定された。
同上を右側から見たもの。三尊は手前から、薬師如来立像・盧舎那仏坐像・千手観音立像。
中尊・盧舎那仏坐像。国宝。脱活乾漆造、漆箔。像高304.5cm。奈良時代作。
指の間に水掻きが付いている。
左脇侍・薬師如来立像。国宝。木心乾漆造・漆箔。像高336.5cm。平安時代(8C末~9C)作。
右脇侍・千手観音立像。国宝。木心乾漆造・漆箔。像高535.7cm。平安時代(9C前半)作。
梵天立像。国宝。以下の諸仏像は等身大以上の大きさがあるのだが、金堂内では小さく見える。三尊像が如何に大きいかが分かる。
帝釈天立像。国宝。
多聞天立像。国宝。
増長天立像。国宝。
持国天立像。国宝。
広目天立像。国宝。
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