ボクが独断で決定・指定した日本三大宿場町(重要伝統的建造物群保存地区)は、奈良井宿・妻籠宿(木曾路・中山道)、海野宿(北国街道・信州上田の近く)。馬篭は完全に失格。大体馬篭は、島崎藤村が「信州・馬篭」と枕詞を付けて表現したのに、今や美濃・岐阜県中津川市に転属している。町の雰囲気・性格が伝統から逸脱してしまっている。それに比べて奈良井宿の健気な程の伝統重視姿勢は感動なしでは見ることができない。
板葺の屋根に石を載せて大風対策を講ずるというこの単純明快な構造発想、この方式の家並が木曾の村落に数多く残されていたという。この石置き屋根にボクが関心を持ったのは、ある画家の絵にこの石置き屋根の風景が描かれそれが絵になっていたから。それは木祖村藪原地区の風景画だった。それでボクは一時期(昭和の末期)、木曾藪原の谷間を石置き屋根の家・風景を訪ねて走り回ったことがあった。しかしその頃既に石置き屋根の風景は絶滅していた。↓この石置き屋根の家は道の駅に新築されたモノ。かつて藪原地区を走り回って探しあぐねた石置き屋根がこんなところにあった。
以下、奈良井宿の街並。ほぼ北(塩尻方面)から南(中津川方面)に向かって撮影。
↓「今でしょ 見るのは in」
↑↓行燈型の電燈に明かりが灯っている。
「重要伝統的建物群保存地区」
往時に果たした機能に即した構造の建物としか言いようがない。
↑↓宿場町時代の典型的な宿屋だろう。夕暮れる頃には泊まり客の接待で活況を呈したことだろう。
奈良井宿、続く。
宿場町の伝統的な建物、町並みは風情があっていいですね d(・∀・) でも、どうせなら道路も舗装してない方が当時の臨場感があっていいのにねーと思ってしまいますが、現代では水はけの問題とかで、ダメなのでしょうね<(~、~)>
返信削除そう、ダメです。伝統的建物群の保存は、そこに生活する人達にすれば大変な不便と不経済だと思います。それでも保存に涙ぐましい努力をするのは、先祖伝来の街並とそこでの生活に対する愛着があるからでしょう。しかしそれにも限度があります。妥協点を何処に求めるか。町並み保存は葛藤と妥協、そして住民の団結と分裂、自治組織の整備の歴史だったでしょう。道路の舗装には土色の舗装材が用いられています。ここで自分が生活することを思ったら、これぐらいは許して貰わないとやっとられん。馬篭はこの葛藤と妥協の世界から離脱してます。安直な利便追求に走ってしまって取り返しのつかない段階に入ってます。保存するのはいつかッ。今でしょっ!!
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