〇東濃可児市にその寺はある。重文の神仏像を24体も護持して来たという天台宗の古刹。願興寺、人呼んで「蟹薬師さん」。24体もの重文仏像を地方の寺が護持してきた例など、全国を見渡して皆無。その寺の事を今まで知らなかったというのは無知で恥ずかしい。恥を雪ぐには何としても仏像群を拝観するしかない。ボクが寺に到着したのは午前11時過ぎ。収蔵殿の案内を読むと、拝観は予約制。何とか頼み込んで午後2時予約の組に入れて貰うことに。それまでは炎熱の御嵩宿を探索することに。
↓重文・本堂。武田軍、織田軍が侵攻してきたときに焼亡しているそう。この寺は天台宗なので門徒・檀家がいなかった。それでも災禍のとき地区民が仏像を担ぎ出して隠した。本堂も資金と労力を出し合ってその都度再建した。そのような結集力が発揮されたのは、優れた仏像群の存在の為せる業だったとボクは思う。本堂は、中央(奈良・京都など)の重文建造物と比較すれば拙いところが目立つ。資材は寄せ集め的で・技術も田舎大工的なところが散見される。しかし全体として見ると地区民の力と技術と情熱の総結集的な魅力(魔力)が感ぜられる。文化財審議委員にも見る目のある者がいる、担当者はこの本堂の持つ不思議な力を感じ取ったに違いない。荒削りでヘタウマ的な建造物。
この本堂、修復する資金がなくて放置されてきたと見えてそのうち倒壊するだろうと見える。そこでようやく来年度から10年掛けて修復事業に入るそう。国の事業認可が下り補助金も決定されたという。事業資金は10億円。補助金額は‥‥。とにかく莫大な費用に逡巡しこの期を逃したら、本堂は瓦解する運命にある。やるしかない。
↓鐘楼門。屋根を葺き替えたばかり。
↓鐘楼門を潜った奥にある庫裏に至る門。
↓収蔵殿・宝物殿。この中に24体の神仏像が護持されている。そのすべてについて写真集が作られていて購入できたので、次に紹介する。
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