〇朝食は08:00に道の駅「むらやま」で摂った。鯖味噌定食(六点)が380円。旨い。ご満悦で出立。
〇本降りの中、銀山温泉へ。谷の上で下車されられて不機嫌になったが、谷底の温泉街に下りてみて納得。観光客の駐車スペースなど一台分もない。急流の小川の両側に窮屈に旅館が立地。土石流が来たらひとたまりもない構造の温泉街。ところが一見して楽しい。伝統的建造物群保存地区ってのは今流行だが、銀山温泉はそれでは一言足りない。伝統的芸術的建造物群保存地区と云わねば。ずぶ濡れになったが機嫌よく駐車場まで登って来た。こんな所にまで中國人の大きい声がする。
〇鈴木清風の古家を移築した資料館は楽しい。もっとも芭蕉を尊敬し歓待した清風のその尋常ならざる人生・人物を知らなければ大した資料館には見えないだろう。五月に尾花沢に来た時は残念ながら閉館時刻を過ぎていた。今日はゆっくりと鑑賞した。ゆっくりし過ぎて眠くなった。
〇雨のナタギリ峠は凄かった。芭蕉と曾良は、屈強の若者が反り脇差しと棍棒で武装したのに先導護衛されてこの峠を越えたが、さもありなんと思われた。
〇鳴子温泉から陸羽の山々を越えて尾花沢に行く旅程は現代人の想像を絶する。山を越えれば谷底に降りねばならぬ。降りればまた登らねばならぬ(地勢がそうなっている)。その繰り返し。気が遠くなる。心臓病と貧血のボクには絶対無理。
〇「小黒ヶ崎」は歌枕となったので訪れる粋狂者がいるだけの風景。あるのはただの尾根の長い山。五月に発見し損なったので意地で探訪したという訳(近くの美豆の小島は偶然発見済み)。歌枕を目の前に立地開業していた小黒ヶ崎観光センターはとっくに廃業し廃墟と化していた。意外にも芭蕉銅像が独り凛々しく立っていた。
〇羽州上街道を今回も辿った。五月に辿った道程が芭蕉の歩いた道と一部相違していたのを知って癪に障ったのでやり直した。それで儲けものをした。「芭蕉衣掛の松」を発見した。どうせ作り物。
〇今日は一日ほぼ雨。濡れて寒くなり車内を暖房して着衣を乾かしながら走った。18:30、一関近くの道の駅「厳美渓」に入った。五月にもここで泊ったが、今回もそうなる。明日は一関で芭蕉と曾良が平泉への行き帰りに二泊した宿の探訪から始める。
0 件のコメント:
コメントを投稿