この有名な万葉歌が柿本人麻呂の歌であることはよく知られている。が、どこで詠まれた歌かとなるとほとんど知られていない。ボクも知らなかったが、この探訪で分った。ここ大宇陀で詠まれたのだ。
↓又兵衛桜の近くに「かぎろひの丘万葉公園」があった。丘の上なので石段を昇らねばならず、それは足に来るので控えて説明だけを読んだ。公園の中央に万葉歌碑が立ちその石に冒頭の歌が刻まれている。「かぎろひ」とは陽炎ではなくて、朝日が昇る前に東の空が明るくなる時に一瞬赤みがさして見える状態を指すらしい。朝焼けとはまた別物らしい。
↓万葉公園から浅い谷を挟んで向かいに「阿騎野・人麻呂公園」があった。ここは古代遺跡の跡だそう。人麻呂が生きた時代の遺跡も含む。
↓柿本人麻呂公騎馬像が建っていた。
人麻呂公が振り返っている。返り見すれば月傾きぬ、の場面を表しているのだろう。さすれば公の見ている方角が西。
軽皇子(かるのみこ)の安騎(あき)の野に宿りましし時、柿本朝臣人麻呂の作る歌
やすみしし わご大王(おほきみ) 高照らす 日の皇子(みこ) 神(かむ)ながら 神さびせすと 太(ふと)敷かす 京(みやこ)を置きて
隠口(こもりく)の 泊瀬(はつせ)の山は 真木(まき)立つ 荒き山道(やまぢ)を 石(いは)が根 禁樹(さへき)おしなべ 坂鳥(さかどり)の 朝越えまして 玉かぎる 夕去り来れば み雪降る 阿騎(あき)の大野に 旗すすき 小竹(しの)を押しなべ 草枕 旅宿(たびやど)りせす いにしへ思ひて いにしへ思ひて 柿本人麻呂
【短歌】阿騎の野に 宿る旅人 うち靡(なび)き 眠(い)も寝(ぬ)らめやも いにしへ思ふに 柿本人麻呂
ま草苅る 荒野(あらの)にはあれど 黄葉(もみじば)の 過ぎにし君が 形見とぞ来(こ)し 柿本人麻呂
日並(ひなみし)の 皇子(みこ)の命(みこと)の 馬並(な)めて 御猟(みかり)立たしし 時は来向(きむか)ふ 柿本人麻呂
〇以上、大宇陀阿騎野で詠まれた歌と見える。そこで近くの阿紀神社探訪記も次回に掲載する。この機会に掲載しなければ、誰の関心も引かぬ記事となるので。
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