〇島崎藤村の終生の大作「夜明け前」全巻読了
〇全巻読了するには非常に骨の折れる大作だった。読了できたのは、左肩の激痛に苦しんだこの二ヵ月余り、その対策はひたすら寝て肩にかかる左腕の重力を無力化するしかなく、寝ると言ってもただ寝転んでいるのはバカバカしいので、寝ながら軽い文庫本を手にして読むことを断片的に続けたら読了に至ったという訳。五十肩にならなければそもそもこの本を手にすることはなかったし、長い激痛が続かなければ読了に至ることもなかった。読了に至るのは至難の本。大作であることが一の難。しかもこの歴史小説は、幕末維新時代の知識が縦横無尽に豊富でないと理解が及ばず、また木曽路十一宿、美濃路落合・中津川の地理地勢・宿場の実状等を実地に見分していなければ面白くなくて読み切れない。ボクは知識と実地見分共に備わっていた。読書と旅の実績が利いていた。若い時から「つんどく」してあり手に取れたせいもある。五十肩の苦痛で何もできない月日も工夫次第で無駄にはならないもの。
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