近時の白鵬の傲慢は腹に据えかねる。九州場所千秋楽優勝後の演説「力士を代表して」「日馬富士関と貴ノ岩関をまた土俵に上げてあげたいです」、そして観客にやらせた万歳三唱。いずれも分を越えた言動だ。お前は理事長か。その前、立ち会いに文句を付けて土俵から下りようとしなかった事件。お前は行司・審判か。場所後の理事長講話後「貴乃花親方を巡業部長から外して下さい。貴乃花親方が巡業部長として同行するなら私は巡業に出たくありません」と理事長に意見した事件。お前は何様か。白鵬の驕り昂りは近年度を越していた。それを見て貴乃花は腹に据えかねていた。貴乃花の怒りの元はまだある。モンゴル互助会の傍若無人。彼らのナイラ(日本でいう八百長)の横行。貴乃花の眼光はそれを見逃していなかった。貴乃花親方は貴ノ岩に対しモンゴル互助会に近づくなと厳命していた。貴ノ岩は親方の教えを守りガチンコ相撲に徹し、モンゴル互助会に近づかず彼らを批判していた。白鵬はそれが気に入らず「礼儀礼節」を弁えぬ奴だとして貴ノ岩を憎んだ。いつかシメル機会を狙っていた。その機会が鳥取市で実現した。鳥取城北高校は貴ノ岩・照ノ富士の母校。そこの相撲部監督が貴ノ岩を宴席に招いた。その情報を得た白鵬が、日馬富士・鶴竜を誘って宴席に陣取った。三横綱揃い踏みで威圧した。二次会で日馬富士が白鵬の意を汲んでモンゴル互助会的礼儀礼節の指導に入った。貴ノ岩は貴乃花親方の筋金入りの弟子である。日馬富士の暴行傷害が始まり、白鵬は止めようとしなかった。
この事件の先、巡業中に白鵬の貴乃花親方を見下した無礼の件があった。バスでいつも親方が坐る席に白鵬がわざと坐って貴乃花親方の権威を否定してみせたのだ。貴乃花は白鵬を横にずらして自分の席に坐り、二人並んで移動したらしい。バスに遅れた白鵬を残して、貴乃花がバスを発進させた一件も発生したらしい。二人には遺恨があった。貴ノ岩の頭の傷害を見、彼から暴行傷害の状況を聴いて、貴乃花は、この事件は白鵬の自分に対する挑戦であることを悟った。瞬時に受けて立つ覚悟を固めた。この際、事の黒白を明らかにすることが先決だが、それには相撲協会は有害無益。捜査機関に委ねるしかない。貴乃花親方のモンゴル互助会殲滅の戦いが開始された。それは驕り昂った白鵬を叩きのめす闘いの始まりでもある。貴乃花親方の敵は、手を下した日馬富士にあったのではない。八角理事長でもない。
白鵬は貴乃花の強さを見誤った。貴乃花の意志の強さを言っているのではない。彼は日本国民の圧倒的多数に好かれているのだ。
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