2009年8月6日木曜日

《山下清》展を見てきた。

石川県七尾美術館で《山下清》展をやっている。《アスペルガー症候群》と芸術的才能の関係に最近関心を持っているので早速見てきた。

山下清は大正11(1922)東京生まれ。3歳の時重い消化不良になりその後遺症として軽い言語障害が残ったという。言語障害が消化不良の後遺障害なのか生来のものか或いは両方相俟った結果なのかは定かでないが、彼の貼り絵に示された才能は《アスペルガー症候群》者の示すパターンの一例に見える。

山下清は旅先で関心興味を持った風景を旅から戻ってきてから絵にした。現地で描いたわけではない。記憶力は大変強かった。貼り絵作業も大変根気のいる仕事。絵にしようとする制作意欲が並外れて旺盛。普通の精神薄弱者とは明らかに一線を画している。やはり山下清は《アスペルガー症候群》者と見るべきだろう。

《アスペルガー症候群》者にも様々なタイプがあるだけでなく、同じタイプの中でも能力に程度の差が大いにある。知能の高低で表わされるような差異。山下清は知能程度の低い方だとすれば、知能程度の高い方の代表者は《ピカソ》《ゴッホ》《アインシュタイン》《エディソン》ら。これら天才の才能は眩(まばゆ)過ぎてその正体を見定めることは(太陽を見つめた時の様に)困難。その点山下清は、ヒトの才能とは何か、画家とは何モノかを見つめ考えるのに恰好。そういう意味で彼の人生と遺作は芸術とは何かを論ずるのに貴重。《山下清展》を見て僕なりに得たものを後日報告しよう。

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