花背の峯定寺に向かう。奥山深い谷底を進む。この川は峯定寺のある大悲山から流れて来るので寺谷川というらしい。谷間の風景がこれだけ洗練されているのにはなかなか回り逢わないので写した。↓峯定寺の門前に「美山荘」という料理屋があった。花背の深山で果たして商売になるのかと心配になるが、それが綺麗で大きい料亭なのが不思議。と見る間に白い割烹着を着た若女将が玄関から跳び出してきて石畳に水を打ちだした。それがチャーミングで絵になる。吾輩はオットットとバックしてカメラを持ち直して尋ねた、「写しても好いですか。姿が入りますよ」。彼女は大らかにどうぞという風に頷いた。そしてカメラの前で自然なポーズで水を打ち続けた。この人はタダの田舎モノではない。京都で洗練された女性だと思う。↓「顔を上げて貰って好いですかぁ」と注文したらこうなった。素敵に堂々としている。吾輩は思った、京都花背の「美山荘」、ここはきっと美味しい山菜料理で定評があるに違いない。いつかきっとこの料亭で食事をしたいもの。↓ここからが峯定寺。この寺は山岳修験道の寺で本堂に参るには岩山の石段を登らねばならないので入門は午後三時半までと制限されている。峯定寺は平安末期1154年に山岳修験者の観空西念が創建し、同年鳥羽上皇の勅願により不動明王・毘沙門天像が奉納された。寺の造営には工事雑掌として平清盛が任命され、1159年に仏舎利・十六羅漢画像を奉納したと伝えられている。現存する本堂や仁王門などの建物はいずれも鎌倉時代末期1350年の再建によるもので重文に指定されている。燃料は薪。↓現存する堂宇は単純な構成で、仁王門を潜ると高い岩山の上に本堂が懸崖造りで建っているだけ。平地の境内にはその他に宝物館、社務所・庫裏・書院がある。「美山荘」は「現在地」の直ぐ左にある。木柵から入門すると絵になる景色が連なる。紅葉の季節には凄絶な程に輝きを放つだろう。いつかまた紅葉に合わせて来てみよう。
↓仁王門。この門を潜ると石段が続いて懸崖造り本堂まで続く。社務所で入山料500円を納めて襷と杖を借りて入山する。カメラの持込禁止・社務所に置いていくことを無慈悲に宣告され暫時没収される。
↓この背後の岩山を登って行く。↓仁王門の外から覗いた内部・裏山の取りつきの石段。↓社務所に貼り出してあったポスターを引用。懸崖造り本堂。↓これも本堂。ガイドパンフから引用。↓神木の杉
↓以下、重要文化財の仏像達。絵葉書から引用。↓仁王・金剛力士像
毘沙門天像阿弥陀三尊像。この三尊像は奈良国立博物館に寄託してあった。不動明王、コンガラ・セイタカ童子像釈迦如来像・像高約30cm。奈良国立博物館の「解脱上人・貞慶、鎌倉仏教の本流」展に出品されている。↓峯定寺は紅葉でも有名らしい。
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