公立のと総合病院・循環器内科にお世話になるようになってから早九年。この間、地下の核医学検査室に通った回数は数知れない。体内に取り込んだ放射能の量も相当なもんだと思うが、検査技師の人達との親密度も増した。そこでこの絵。この絵は、入口片隅の床の上に見捨てられていたのを数年前、ボクが再発見した。12号程のかなり大きな絵。それを取り出して壁に立てかけ、永い待ち時間をじっと観察して過ごした。ゴッホが「アルルの跳ね橋」を題材にして何枚かの絵を描いたことは知っていたが、この絵の構図は見たことがなかった。見た絵はすべて対岸から描いている。半ば沈んだ廃船があり、その傍で女性達が洗濯している有名な構図。観察の結果、この絵もゴッホの絵だという結論。そして次にこの検査室を訪れた時、なんとこの絵が壁に掛けられていた。以来核医学の検査室に来る度にボクはこの絵をじっくり観察するのを楽しみにしてきた。おかしいのは、壁の位置がその都度違う。どうやら色々なサイズの案内表示を貼り出す毎に邪魔になるので移動させられるらしい。ボク以外の誰の目にもこの絵は入っていない。要するにボクの為だけにこの絵は検査室の壁に掛けられている。出所は製薬会社のセールスマンが勝手に持って来たものらしい。病院の備品ではないという。大きなアルミ額に入っているので処分するにも手間がかかりつい置いてあるというのが実情らしい。今回もボクはじっと観察していた。すると技師の人が「何なら持って行かれたら」と言ってくれた。得たりや応とばかりに頂戴してきたという次第。好いこともあった。
次のブログで、ゴッホの「アルルの跳ね橋」の幾つかの絵をお見せしよう。
2013年3月9日土曜日
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