〇小松の日吉神社に芭蕉が杖を留めたという伝承は、曾良随行日記の次の記述に由来する。
先ず24日に芭蕉・曾良・北枝一行は小松に着き、近江屋に宿をとった(近江屋がどこにあったかは杳として分らない)。
《25日 快晴。小松を立たんと欲するも、所衆聞きて北枝を以て留どむ。立松寺へ移る。多田八幡へ詣で、真盛が甲冑・木曾願書を拝す。終わりて山王神主藤井(藤村の誤記)伊豆宅へ行く。会有り。終わりて此こに宿る。‥‥》 この山王神主というのが日吉神社の神主のことらしい。日吉神社神主は、藤村伊豆・俳号鼓蟾(こせん・蟾はひきがえる)。藤村伊豆宅で催された連句会は芭蕉の《しほらしき名や小松ふく萩芒》の初句で始まったそう。
↓奥・芭蕉塚、手前・句碑
「芭蕉翁留杖之地」
↓《しほらしき名や小松吹く萩すすき 芭蕉》
「露を見しりて影うつす月 鼓蟾」
「躍(おどり)のおとさびしき秋の数ならん 北枝」
0 件のコメント:
コメントを投稿