北陸新幹線に初めて乗った。金沢~東京、二時間半。早いのか、それほどでもないのか、分らない。ずっと窓から外を見ていた。それで東京に着いてしまったんだから早いのかも。遅ければ飽きている。東京駅に着いてからが大変。八重洲口と丸の内口のどちらに踏み出すべきかから始まって何から何かまで一々選択決断を要する。地下に張り巡らされた地下鉄線の探索など地表にいては分らない。地下に潜って千代田線の駅に辿り着く。赤坂駅で降りたが下手に地表に出たらどこにいてどこに向いているのか見当もつかない。赤坂陽光ホテルを目指したが闇雲。賭けに負ければ歩けば歩くほどホテルから遠ざかる。いい加減な所でコンビニに入り牛乳を買って店員にホテルはあっちですかこっちですかと訊いたら、分りません、こっちに行くと交番があるから訊いてみたらだと。交番があってやれやれと思ったら、何のことはない、その向かいに赤坂陽光ホテルのネオンが見えた。あー疲れた。早く家に帰ってゆっくりしたい。とにかく東京に金と人と全国支配組織が集まりすぎ。日本の深層問題を感ずるには時々東京に出てきた方がいいかな。気付いた事、東京に帽子を被った人間は全然いない。明日は午前中最高裁で用があり、その後昼食を摂りながら懇談会がある。午後ボクは折角の機会だから芝の増上寺と上野・寛永寺を拝観して夕方の新幹線で金沢,七尾に戻る。《奥の細道》紀行の旅に出た時最初の日に寛永寺を訪れたが考えが甘かった。寛永寺は上野の山全体に広かっていたのだ。それが今は動物園や美術館・博物館に敷地を割かされずたずたの状態で、それでも重要文化財の宝庫として存在している。五重塔に至っては動物園の中にあるそう。寛永寺探訪には敵を知り、そして計画を立てて挑戦する必要がある。それではお休みなさい。
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