〇旺盛な探訪欲に駆られて全国を疾駆していた頃、大阪府北河内・交野市(かたのし)にある獅子窟寺(ししくつじ)を訪ねた。国宝・薬師如来座像を目当てに。山の中にある不思議な地形の寺と案内されていたが、行って見ると聞きしに勝る難所だった。
↓登り口に到達。ここに辿り着くまでが大変。カーナビも表現し切れないような古道。それが新市街地に取って付けたように残されている。ギリギリ一車線。冷や汗を掻きながら登ることになる。
↓対向車に出くわさないうちに一目散に登って来ると、頂上が平らになっていてそこに本堂(瑠璃殿)が建っている。瑠璃光(朝日)のさす方向に薬師如来はおわすから、この本堂に国宝薬師如来座像は坐っておられたはず。↓山頂には巨岩怪石がゴロゴロ。その昔は修験場だったろう。獅子窟寺は真言宗高野山派に属する。
↓眼下に大阪平野北部・交野市街地が見える。
↓境内奥に国宝薬師如来座像保存庫がある。鉄筋コンクリート造
↓国宝《薬師如来座像》 一見して只者でない雰囲気。ボクは住職不在ということで拝観できなかった。寺の案内では「要予約」とある。榧(かや)の一木造り。現代ではこれだけの榧の木を調達するのが無理。右腕は後補らしい。取付角度が不自然だそう。元は阿弥陀如来が説法印を示していたとの説がある。阿弥陀如来変じて薬師如来になるってか。左掌の薬壺も後世に載せたということか。
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