2019年7月13日土曜日

★奥の細道紀行 第56章 安積山(あさかやま)

芭蕉と曾良は日の出の頃、郡山宿を出て安積山に寄った。
↓「安積山公園」
 ↓《奥の細道》の文章石碑 《等窮が宅を出て、五里斗(ばかり)、檜皮(ひはだ)の宿(しゅく)を離れて、あさか山有り。路より近し。此のあたり沼多し。かつみ刈る比(ころ)も、やや近うなれば、いづれの草を花がつみとは云うぞと、人々に尋ね侍れども、更に知る人なし。沼を尋ね、人にとひ、「かつみかつみ」と尋ねありきて、日は山の端にかゝりぬ。》
曾良随行日記』にはこう記してある。『五月朔日 天気快晴。日出の比(ころ)(郡山の)宿を出る。一里半来てヒハダの宿、馬次也。町はずれ五六丁程過ぎて、あさか山有り。一里塚のきは()也。右の方に小山有る也。アサカノ沼、左の方谷也。皆田に成り、沼も少し残る。惣じてその辺山より水出る故、いずれの谷にも田有り。いにしへ()皆沼ならんと思う也』
↓安積山は、山というより丘陵である。
 ↓「安積山 ‥‥‥「安積山」は、「万葉集」に詠まれている歌枕として有名で、芭蕉はここで「花かつみ」を尋ね歩いている。‥‥」との説明板。
「芭蕉の小径」。安積山公園石碑の裏側に当たる。
〇以下、芭蕉の小径で得た情報
 ↑万葉集の歌枕は
安積香山(あさかやま)影さへ見ゆる山の井の浅き心をわが思わなくに」(万葉集・巻十六)と分った。
↓万葉の歌枕歌碑と見える。
↓これが「花かつみ」らしい。


ヒメシャガのことで、アヤメ科・アイリス属の常緑多年草。開花期は5月。
 ↓芭蕉の小径から見た安積山。
〇芭蕉と曾良は歌枕に出てくる「山の井」に関心を持ったことが《曾良随行日記》に表れている。『山の井はこれより(道より左)西の方(大山の根)三里程間(あいだ)有りて、帷子(かたびら)と云う村に山の井清水と云う有り。古(いにしえ)のにや、ふしん(不審)也』。二人が山の井清水を訪れたものかどうか、文章から判別できない。

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