鎌倉に住む従姉の長女・味の素さんが先のGWの連休に能登を一人旅して奇跡の寺を撮ってきた、能登町宇出津の寺だそう。無造作に箒なんぞ立てかけてある壁に何と書いてあるか。
「平成19.3.25」に「大勢至菩薩」が「応現」したんだそう。誰のために、どんな姿で…!「嘘に決まってらぁ」、吾輩は思わずこう口走った。ら、従姉の反応は意外。「私は信じます。菩薩様が現れたといったら現れたんです」「今度巡礼に行かなくっちゃぁ」。ああ、これが信心というものなんだ、吾輩は初めて信心する魂に触れたような気がして打たれた。
そう言えば、吾輩も奇跡に遭遇して感動したことがあったっけ。あれは去年春の大旅行の折、気仙沼市の大理石海岸に寄ったときのことだった。 岩場を巡っていると突如優しげな観世音菩薩が出現した。
自然造形だとはとても信じられなかった。ので、間近で調査した。結果、紛れなく自然の造形。奇跡を信じた瞬間だった。あの海岸も、東日本大震災の大津波に襲われた。小さな入り江にへばり付いていた数軒の漁師の家はみんな津波に呑み込まれたに違いない。あの観音さんの御利益で命だけでも救われただろうか。地元の人々にさえも気付かれずに独りひっそりと海に向かっていた優しげなあの観音像――吾輩も巡礼して再会して来よう。と思ったが、ちょっと怖いなぁ。民家も何もかも大津波にさらわれた磯浜を見ることになる。観音像だけはやっぱり海に向かって独り佇んでいるとは思うけど。
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