山梨県・双葉SAを出たのが08:00頃、順調に走り抜いて新潟県・妙高高原IC手前1.5kmの標識に達したのが11:00。この調子だと「いもり池」で絵を描ける、と思ったんだが、この地点で流れはピタリと止まった。渋滞というよりも完全な停止。事故の為・全車妙高高原ICで下ろされている。それが流れない。後で分ったが、下道の国道に入る交差点で動きがとれない。結局2時間を空費。絵を描く機・気を逸した。これが今日の不運の第一。「シェーネ」に着くとママが玄関先に居て「アーラ、三林さん・お久し振りぃ」。ボクが「今日泊まれますか」と訊くと、気の毒そうに「あいにく部屋が空いてないの」「私達夫婦の部屋一つしか空いてないのよ」。「とにかく上がって下さいな」ということで玄関に入るとマスターも顔を出して・言い出し難そうに「3階の屋根裏部屋なら寝ることは寝られますが‥」。とにかく拝見させて貰うことに。一見ゴタゴタの物置部屋。「夕方までには寝れるように片づけておきますよ」。ここで普通の人なら断固断るだろう。しかしボクはもう普通の人でなくなっている。プログを覗きに来てくれる中学同級生のカオッチャンからは「仙人みたい」と褒められたぐらい(少なくともけなされたのではありません)。ボクにすれば考えるまでもないこと。何せ毎晩毎夜・セレナの中で野宿しているのだ。その車中ときたら整頓が苦手なので昨日在った物が今日は捜索の対象になる始末。物置部屋に寝ることなど何の苦にもならない。マスターとママは、宿泊を断った時は気の毒そうな顔をしたが、こんな部屋に泊めることになった時は全然気の毒そうでなかった。人を見る目がある。そして先ほど午後9時頃、晩食を終えて手荷物を部屋に置きに行って電灯を点けた瞬間、ネズミが走って姿を隠した。家の中でネズミを見たのは幾十年振りか。ボクの脳裏に、寝ている最中にネズミに鼻先をかじられる悪夢が浮かんだ。ネズミは想定外だった。屋根裏部屋は第二の悪運と化した。
絵を描く代わりに「いもり池」を一周して絵になる構図を探した。三つほどあった。先ず指を折るべきは、今年も水芭蕉が一面に咲いている広々とした平原を前景に・若い緑をほのかに滲ませた森を中景に・青く寒々しい妙高山を遠景にした雄大な構図。大きい画面で描く。明日天気が好かったらこの構図で描こう。天気が悪かったら七尾に帰る。天気が好かったらもう一泊するかも知れない。明日は宿泊予約がないそう。明日絵が描け、それが好い絵になったら‥不運・悪運を転回・転輪する機縁になるんだが。
2013年5月4日土曜日
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