〇今日は仕事の段取りが実に旨くいった。今日伊賀の国で探訪する重文は五か所。
①高倉神社・本殿
②猪田神社・本殿
③大村神社・宝殿(旧本殿)
④新大仏寺・毘盧遮那仏坐像外二点の上人坐像
伊勢の国に入って関宿(せきやど)新所の
⑤地蔵院、本堂・愛染堂・鐘楼
これらを前夜道の駅に掲示されている伊賀の大地図でそれぞれの所在地を知り、時計の針の逆回りになるように段取りして探訪したというわけ。伊賀の探訪地すべては上野市街地を遠く離れた田舎にある。神社本殿は何の変哲もない。特筆すべきは新大仏寺でのこと。300円の拝観料で大仏を拝観できるという。当然受付に拝観を申し込む。嬉しいことに重文三体の仏像の絵葉書も入手できた。案内役は35歳を出たかなと思える上品な女性。大仏は境内奥の宝物殿におられた。その一階に大仏が坐っておられた円筒形の石壇が保存されている。二階に上がると大仏が輝いて坐っている。修復が為された。この寺は一時廃寺になり、大仏は首から下が朽ち果てた状態で放置されていたそう。鎌倉仏で湛慶の作といわれる。江戸時代に首から下が補作された。もし首から下も湛慶作のまま現存すれば国宝もの。大仏の両側に重文二体の上人像が坐っている。向かって左が重源上人、右は上人とだけ書いてあるので名を尋ねると「いだ上人」だそう。女性は旧大仏堂の戸が開くようになっていますから入って参拝して行って下さい、十一面観音様がいます、さらに奥の不動堂にも行けます、不動堂の最奥まで行くと崖下に大きなお不動様と二童子が見れますと言ってくれた。さらに松尾芭蕉との縁にも触れた。大師堂の前に芭蕉の句碑があります、芭蕉はこの寺を訪れておりその際大仏様の句を詠んでおられます。芭蕉は大仏記という俳文を残していますと説明してくれた。ボクは言葉通りに十一面観音像を拝し、石造の巨大な不動明王立像も拝した。そして大師堂の前で芭蕉の句碑に遭った。丈六仏を詠んだ経緯を記した俳文が石碑に刻まれていた。
午後一時過ぎには東海道五十三次の一つ・関宿の新所にある地蔵院に着いていた。重文三堂を拝観した。道の駅・関宿で食べた伊勢うどん600円は旨くなかった。本場の伊勢うどんはもっと醤油の風味が生かされて麺ももっともっとふちゃふちゃしておいしいに違いない。
この後松坂に向った。目標は本居宣長の旧居・鈴屋の拝観と本居宣長記念館の参観。カーナビの計測では15:47に着くという。17時までに拝観・参観することは不可能とは言えまいが、駐車場で時間を取られる惧れを加味すれば中途半端になるリスクが大きい。よし拝観・参観を完了できたとしても、その後今日じゅうに帰路に就くことは無理、危ない。今日は昼寝をしていない。どっちみち松坂周辺に泊まることになる。それなら今日は早目に宿所に入り、明朝一番に入場して拝観・参観を済ます。そしてUターンして明日の内に家に帰り、日曜日はゆっくり休養するのがよいと決めた。
それで選んだ宿所が道の駅「茶倉駅」。松坂市街中心部から20km山間の谷に入り込んだところにある小さな道の駅。16:15に着いた。目下18:45で真っ暗、ボクの外には誰もいない。
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