2019年9月12日木曜日

★奥の細道紀行 第94章 塩竈市①「塩竈明神・塩竈神社」

奥の細道》《早朝①塩竈の明神に詣(もうず)。国守再興せられて、宮柱ふとしく彩椽(さいてん、椽は垂木)きらびやかに、石の階(きざはし)九仞(きゅうじん)に重り、朝日あけ()の玉がき()をかゝやかす。かゝる道の果、塵土の境まで、神霊あらたにましますこそ、吾国(わがくに)の風俗なれと、いと貴けれ。神前に②古き宝燈有。かねの戸びらの面(おもて)に文治三年和泉の三郎寄進と有。五百年来の俤(おもかげ)、今目の前にうかびて、そゞろに珍し。渠(かれ)は勇義忠孝の士也。佳命(かめい)今に至りてしたはずといふ事なし。誠(まことに)人能(よく)道を勤(つとめ)、義を守(まもる)べし。名もまた是にしたがふと云(いえ)り。日既に午(うま、午の剋。正午)にちかし。③船をかりて松嶋にわたる。其間(そのあい)二里餘(あまり)、雄嶋の磯につく。》
曾良随行日記』『九日 ‥辰の剋(午前8)、塩竈明神を拝(はいす)。帰而③出船。‥‥』
①《早朝塩がまの明神に詣づ。》

「東北鎮護塩竃神社」表参道 この参道は豪商豪農が上ったそう。この右側に行くと七曲参道(庶民用)があり、更に右に行くと東参道(裏参道。武家用)がある。


↓石の階(きざはし)九仞(きゅうじん)に重る。石段は今202段あるそう。
↓上(途中)から見下ろす。
 ↓楼門が見える

 ↓楼門

 楼門を内側から見る
 ↓中門
 ↓中門を潜ると左手にある銅鉄合製燈籠
 ↓右宮・左宮合併拝殿。 この形式の神社は類稀。

 ↓左宮拝殿。祭神は武甕槌(タケミカヅチ)神。鹿島神宮の祭神。
 ↓左宮幣殿・本殿
右宮拝殿。祭神は経津主(フツヌシ)神。この神は、香取神宮の祭神。日本最強の武神二柱が祀られているとなると、この神社は大和朝廷の北の最前線・多賀城の守護神を祀る奥州鎮護の重要な社だったろう。
 ↓右宮の幣殿・本殿
別宮の拝殿 祭神は、鹽土老翁神(しおつちおじのかみ)。地主神だろう。この社は、中門を潜った右手に、右宮・左宮に対して直角の向きに建っている。
 ↓別宮の幣殿・本殿
〇以上の建築物はすべて重要文化財

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