〇３／３１（日）。この週末、桜の花を求めて大津・奈良に旅してきた。

パソコン通信はオンライン状態にはなるが、サーバーにどうしても接続しない。奈良公園を出たのが午後三時、七尾到着が晩八時。それから持ち帰った食料を食べ・風呂に入り、ＴＶを見て、夜十一時になって二階アトリエの布団に入り込んで、プログに報告記を書こうというわけ。
土曜日は、カメラを予備の予備まで三段構えで用意して行こうとしたら、予備の予備がもう数年間放ったらかしだったので電池収納部の蓋が開かない。エストのマスターがこういう点、知恵が出て器用なので何とかしてくれるんじゃないかと寄ってココアを飲んでいたら出立が午前十一時になってしまった。予備の予備カメラの按配はマスターのお蔭で使えるようになった。
午後三時、大津市「建部（たけべ）大社」到着。近江国・一宮。去年一度訪れたが、午後五時閉門。閉門と言ったら本当に閉門。旧社格は最終、国幣大社になったらしい。惚れ惚れとする美しい社殿。幻の千円札の図柄になったそう。
午後四時半、湖西の「穴太（あのう）」の在へ。中世「穴太積み」で名を馳せた石垣積み集団を全国に送り出した有名な集落。「穴太積み」の石垣が今も沢山残っていると書いてあったので出かけたんだが、穴太一丁目から三丁目の何処にも古い石垣が見当たらない。あるのは現代のコンクリートブロック積みの石垣だけ。失望は甚だしい。近くに「盛安寺」という聞いたような聞かないような古寺があったので寄ってみた。変哲なし。明智光秀の坂本城跡も探訪するつもりだったんだが、これも現代のバイパスや土地・宅地開発に蹴散らされて跡形もなさそうなので探訪放棄。思いがけず夕暮れ前に「唐崎神社」「唐崎の松」を探訪。神社は小振り。松は初代とは思えない。兼六園の霞ヶ池の水面を覆う「唐崎の松」は湖西の「唐崎の松」の分身。晩八時、奈良市の入口「みどりの一里塚・木津簡易休憩所」に滑り込む。セレナの中で軽い晩食を摂り、週刊新潮と「徳川家康・２３巻」を読んでから自分の歌声を聞きながら寝入る。
日曜日、午前七時半起床。セレナの中で軽い朝食。午前八時、奈良公園に向けて出発。奈良市街は京都・木津方面から入ると郊外抜きでいきなり中心街・繁華街に入る。国道２４号線を奈良公園に向けて左折したらいきなり「不退寺（ふたいじ）・業平寺（なりひらでら）」の案内が目に入った。何度も通ったことのある道だが、これまでは目にしなかった。大分観察が細かくなってきた。開門は九時からで大分間があったが、若い僧が入れてくれた。本堂も開けてくれた。想定外に絵になる境内。花の寺だった。本堂と南大門、それに一層となった多宝塔しかないんだが、絵になっていた。カメラ馴らしに最高。奈良公園を歩くつもりで興福寺の駐車場に。一日千円。高いか安いか。ボクの感想は高くない。不思議だったのは午前十時近いというのに駐車車輛がまだ殆どなかったこと。桜満開の日曜日だというのに。天気予報が悪いので、その影響か。興福寺・国宝三重塔に来たときに雷鳴がしいきなり土砂降りになった。参った。幸い雨は程なく上がった。今日は、国宝・重文仏像鑑賞に厭と言うほど浸りきるつもり。興福寺の東金堂・国宝館、奈良国立博物館・仏像館、そして東大寺。堪能するというより、辟易するはず。興福寺・中金堂の再興事業は着実に進捗している。奈良博「仏像館」では、中国青銅器の「坂本コレクション」の大展示をしていた。坂本という東京の骨董屋さんが私的に蒐集した青銅器を寄贈したらしい。とんでもないコレクション。興福寺と奈良博「仏像館」で仏像鑑賞はグロッキー。体調の悪さも影響。東大寺に入る前に「氷室神社」の桜の境内を探訪。素晴らしい枝垂れ桜に赤い神門が栄えて好い絵になった。気分一新。午後一時、東大寺へ。南大門でいつもながら大迫力の仁王像二体に迎えられる。国宝の中でも別格・超一級作品。興福寺の金剛力士像二体は柄は小さいがこちらも別格・超一級作品、何せモノが違う。中門から大仏殿・金堂境内を覗いて、境内に溢れる春をカメラに収める。それから二月堂方面へ。法華堂・三月堂は意外にも完全拝観停止。東大寺ミュージアムに法華堂修復完了まで移っている国宝不空ケン索観音菩薩と日光月光菩薩像以外には会える筈だったんだが、全然会えない。四月堂の千手観音菩薩像も四月堂を出てしまうそう。どうやら四月堂でお参り出来る最後の機会だったらしい。東大寺で桜の季節を満喫できる最高の舞台は大鐘楼の立つ丘の上だと思っていたら案の定だった。朱塗りの阿弥陀堂が満開の桜と共に素敵な俳優ぶり。戒壇院にはここにも超一級の四天王像が待っているんだが、体力の限界。今回もお預けで帰路に就く。駐車場を出たのが午後三時過ぎ。能登有料道路が今日から「のと里山海道」に生まれ変わり、完全無料化。料金所をノンストップで通過する快感は想定を遥かに超えている。