「大寺薬師」(←リンク)には驚かされる。名は「大寺」だが、小さな山門とコンクリート造・宝物庫しかない。宝物庫を開けて貰うためには・近くに住む管理者(農家のおじいさん)に電話連絡して鍵を開け鉄扉を押し開いて貰わないといけない。運が悪いと連絡がつかず・泣く泣く立ち去ることになる。運好く宝物庫に入れたら、そこには凄い世界がある。等身大重要文化財仏像が九体も・コの字型に立ち並んで迎えてくれる。圧巻。中でも四体の四天王像が素晴らしい。本尊の両側に居並んで圧倒的迫力で迫って来る。ここにある仏像たちはその昔・確かに「大寺」に立っていたに違いない、そう感じさせるにたる凄味がある。
伝承によると、この地より山奥側に300m行った所に昔・七堂伽藍を備えた大寺があったそう。行基上人が建てたという。その七堂伽藍に、行基上人の彫った仏像たちが安置されていた。ところが大豪雨による山津波に大寺が流されてしまった。仏像たちも土砂に埋もれたが、村人達が辛うじて掘り出した仏像たちがあり、それが今「大寺薬師」の宝物館に安置されている諸仏像だという。その諸仏像のうち・四天王像はとりわけ古く平安時代作だといわれている。しかし行基仏だという伝承に従えば奈良時代作に遡る。四天王像は実に傑作。そのダイナミックな迫力・躍動感と形・バランスの見事さは、とても地方の仏師のセンス・技量・志では作り出せない。ボクは、行基が率いた仏師集団の制作による作品と考えてもおかしくないと思う。難は保存状態が良くないこと。その難がなければ、ここの四天王像は国宝級。
↓出雲市発行の「大寺の仏像」より。
〇以下は、現地での写真。
↓大寺薬師・山門
↓宝物庫
↓重要文化財・薬師如来坐像
重要文化財・日光菩薩立像
重要文化財・聖観世音菩薩立像
重要文化財・月光菩薩立像
重要文化財・聖観世音菩薩立像
重要文化財・増長天立像
↓重要文化財・持国天立像
↓重要文化財・広目天立像
↓重要文化財・多聞天(毘沙門天)立像
同上
↓重要文化財・広目天立像
↓重要文化財・増長天立像
↓重要文化財・持国天立像
〇この宝物館の素敵なところは、管理人が・県から禁止の命令がないとのことで撮影の自由を認めてくれること。恐る恐る(ダメで元々の気持で)フラッシュはダメでしょうね・とお伺いを立てると、県から禁止せよとの達しがないのでいいんでしょう。ここは極楽じゃぁ\(^o^)/
△使用したカメラは、大寺薬師の四天王像に感動したボクがわざわざ殊更にここの仏像撮影用に選んで取り出した・古くて普段使用していない・値段の高い大きなカメラだった。コヤツのオートフォーカス機能は壊れていた。それを知らずに写して来て悦に入っていて、後で帰宅してパソコンで開いてみてガッカリ。どの写真もピンボケ(/_;)いつかまた出かけて、焦点の合った写真を撮って来ようと思った。
2014年1月18日土曜日
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