2014年10月8日水曜日

〇「奥の細道紀行」(51) 日和田宿・歌枕「安積山(あさかやま)」

〇郡山宿を過ぎた日和田宿に歌枕「安積山」がある。
 山というより丘陵である。
 ↓「安積山 元禄二年五月一日(西暦1689年6月17日)松尾芭蕉と曾良は、「奥の細道」紀行でここ安積山を訪れている。「安積山」は、「万葉集」に詠まれている歌枕として有名で、芭蕉はここで「花かつみ」を尋ね歩いている。‥‥」
 ↓芭蕉の小径。安積公園の石碑の反対側に当たる。

 ↑「奥の細道」の文章石碑 《等窮が宅を出(いで)て、五里斗(ばかり)、檜皮(ひはだ)の宿(しゅく)を離れて、あさか山有り。路(みち)より近し。此のあたり沼多し。かつみ刈る比(ころ)も、やや近うなれば、いづれの草を花がつみとは云うぞと、人々に尋ね侍れども、更に知る人なし。沼を尋ね、人にとひ、「かつみかつみ」と尋ねありきて、日は山の端にかゝりぬ。》
 ↑「曾良随行日記」より《元禄二年五月朔日、天気快晴。日の出の比、宿(郡山)を出、壱里半来て、ひはだ(日和田)の宿、馬次也。町はずれ五六丁程過ぎて、あさか山有り。壱り(一里)塚のきわ(際)也。右の方に有小山(こやまある)也。あさかの沼、左の方・谷也。皆・田に成り、沼も少し残る。惣(そう)じてその辺(あたり)山より水出る故、いづれの谷にも田有り。いにしへ皆沼ならんと思(おもえる)也。》
〇歌枕「安積香山影さへ見ゆる山の井の 浅き心をわが思わなくに」(万葉集・巻十六)

 〇これが「花かつみ」らしい。ヒメシャガのことで、アヤメ科・アイリス属の常緑多年草。開花期は5月。

 ↓芭蕉の小径から見た安積山。





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