〇浄瑠璃寺は素晴らしい。境内に入ると、東の方に国宝・三重塔が建つ。東は瑠璃光(朝陽)の射してくる方向。瑠璃光の中に薬師如来がおわす。此岸(この世)。
↓三重塔本尊・薬師如来坐像、重文 この日は非公開。
此岸(三重塔前)から見た国宝・阿弥陀堂(本堂)。西方・彼岸にある。
↓ 絵葉書より
↓阿弥陀堂本尊・国宝阿弥陀如来坐像(九体仏中央)
↓国宝・九体仏 平安時代後期に九体仏が流行したらしい。極楽をはじめ六道世界には上・中・下の階層があり、それぞれの階層がまた上・中・下の階層に分れるという思想に基づく。上の上から下の下まで九つの階層に極楽浄土も分れていることになる。地獄にも上の上から下の下までの九階層があるそう。阿弥陀三部経の一つ観無量寿経にその教義が含まれているそう(本当かどうか確かめていない)。摂関藤原家の最高権力者が、下の下でいいですから極楽浄土に引っ掛かるようにお願いしますと祈ったというから面白い。史料的には二、三十ヶ寺に九体仏が安置されていたことが認められるそうだが(これも伝聞だが、相当数の九体仏が存在したのは間違いない)、残ったのはここ浄瑠璃寺だけ。上の上の阿弥陀様は中央に坐しておられる。
↓重文・不動明王立像と二童子立像 これらの像は重文だが、ボクの目には国宝級に見える。制作年代・制作仏師が特定できないため国宝指定にならないだけ、とボクは思っている。九体仏の右側隅に居る。
↓コンガラ童子像
この優しいウサギ目と芸術的な姿態。西大寺のコンガラ童子の目がウサギ目として有名だが、この童子の目はそれに勝って優しい。最高傑作。
↓セイタカ童子像。
この童子像の悪ガキぶりの芸術性は比類がない。最高傑作。
↓吉祥天女立像。普段は厨子の中に納まっていて非公開。時々公開される。重文。中央阿弥陀仏の向かって左側傍に厨子がある。
↓地蔵菩薩立像・重文 中央阿弥陀像の向かって右側傍に立つ。
↓国宝・四天王立像の一つ。浄瑠璃寺には二体だけが安置されている。九体仏の向かって左側隅に立っている。残りの二体は、国立博物館に寄託されている。
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