この三月で公職の大半から身を引いて無責任体制に向かって前進。二週間ぶち抜きの写生旅行を計画。旅行の実態は愛車セレナに寝袋を積み込んで野宿を重ねる無宿放浪の旅。寝袋は三月にスキー登山用品専門店「ケルン」で用意。野宿地は、自動車道ではSA・PA、下道(したみち)では「道の駅」。僕の持論は、本物の画家(えかき)は貧乏でなければならぬ、だから写生旅行でホテル旅館に泊ってはいけない。話に飛躍があると指摘する者もないではないが、とにかく画家は貧乏でないと絵にならない。人は皆、僕の写生旅行計画を聞いて嘲笑う――二週間も無宿生活を続けられる訳がない、せいぜい二、三日で音を上げて尻尾を巻いて戻って来るのが落ち。口に出さずともそう顔に書いてある。フフフ…みんな人を見る目がないのう――そう、僕の方こそ心中嘲っていた。僕の放浪の旅は青年時代から既に人知れず始まっていて年季が入っているのだ。
2009/4/24(金) 明日から愈々二週間ぶち抜きの写生旅行に出る。大雨予報が出ているが構わない。ETC割引は週末・祝祭日しか効かないので明日(土)は絵を描かずにできるだけ走行距離を延ばす日にする。
2009年4月25日(土) 5:24七尾にて。これから愈々出陣(*^^)v 20:06 日中はひどい雨だった(>_<)僕は結構早いうちから新潟市直前の「黒埼ＳＡ」まで来てそこで止まっている。今日はここで野宿して、明朝どうするか決めるつもり。21:49 ずっと「最上川」をインターネットのグーグル地図で探索していたf(^_^;)明日も雨かも知れないけれども僕は最上川の上流から下流に抜けてみる。そして今度は逆に河口から上流に抜けてみる。風景は反対向きに見ると全然違って見えてくる。つくづく思った…僕は暇人でないと出来ないことばかり思いついて実行する。 2009年4月26日(日) 7:09 目が覚めたら集中豪雨の真っ只中！洗車機の中に車ごと間違って入ったらこんな感じかも(>_<)。実は深夜に目覚めたとき腹痛（多分胃痛）に見舞われていた。数時間苦しんでそのまま芋虫の様に腹を抱えて何とか寝込んだら…今朝の目覚めはケロッ。あの痛みは一体何だったのか？朝目覚めてやっぱり腹痛が続いていたら新潟市内の病院に行くか、症状によっては七尾にトンボ返りして裕（双子の弟。消化器内科の専門医）の診察を受けようと考えていた。豪雨に腹痛…これは何かの祟りじゃないか。行く手には霊魂ひしめく出羽三山が待ち構えていることだしf(-_-;)。今回の写生旅行は取り止めにしようかなぁとよっぽど思った。けれどもケロッと腹痛が治まったので計画通り前進することに。明日あたりから雨も上がるんじゃなかろうか。こうなったら毒喰らわば皿までだ、出羽三山神社に乗り込んであの魁偉な神殿を描いてやろう。23:30 今日は一日雨の中だったけど収穫はあった。最上川と言えば画家「真下慶治(ましもけいじ)」(一水会会員)の代名詞みたいなものだが、その故地(画家が絵を描いた風景)を幾つか発見して感激した。今回の写生旅行で先ず最上川を目指した動機は――二、三年前の秋、石川一水会の写生バス旅行に混ぜて貰って最上川に来たことがあって、そのときは天候不順で絵を描けなかった。しかし村山市大淀にあった「真下慶治記念美術館」のテラスから見た最上川の雄大な絶景に感動させられた。その感動が忘れられず再訪したという訳。その大淀にとうとう到着した。夕暮れが近づいていた。
目の前の最上川は増水し泥流となって絵にならないが、そのうち天候は回復するだろうし泥流も一両日で日本海に流れ出て綺麗な河に戻るだろう。
↓大淀で三ヶ瀬方面を望む。遠景の山は「葉山」(葉山の背後に「月山」がいるが見えない)
「道の駅・おおえ」の裏で「おしん」のロケ地を発見。
今日の行程。日本海東北自動車道は新発田から中条まで延びている。中条ICを出て国道７号線を北上、十字路で右折して荒川沿いに小国街道を東進。山形県に入り長井市から寒河江市を経由し村山市へ。ルートは徹底的に最上川に沿うように。橋という橋の上に立って川を中央にする構図を探求して行った。旧道を走った末に《最上川の画家「真下慶治」》がそこで描いたという「明鏡橋」に偶然至ったときは感動。長井市は矢口史靖監督の映画「スウィングガールズ」の冬場面(フラワー長井線の車輌内の場面)が撮られた所。この映画のDVD、僕は飽きるまで呆れられる程見たので長井市に初めて来た気がしない。映画に出た上野樹理、貫地谷しほり、本仮屋ユイカはみんなNHK朝ドラの主人公になった(尤も上野樹理は映画出演前に「てるてる家族」の四人娘の三女役だった)。野球部の福地誠士は「純情きらり」で宮崎あおいの恋人・夫役に。この映画は大したものだったことになる。今夜は大淀から遠くない「道の駅・むらやま」で野宿するつもりだったけれど道を間違えて随分南下(逆戻り)して天童市まで来てしまった。「道の駅・天童温泉」に辿り着いたのでここに宿営する。
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