もう4年も前のこと、女房と信州上田市の「戦没画学生慰霊美術館・無言館」を訪れた。館主・窪島誠一郎氏の至高悲痛な設立趣旨に打たれた。道案内が乏しくて到達するのに難渋した記憶がある。吾輩も絵を描きだしていた。それも人生の舵を芸術の方に切る覚悟で。だから、戦没画学生の無念さは痛切に分かった。それにしても、館主の戦没画学生の遺作の蒐集救済供養に懸ける意志情熱は人間のものとは思われなかった。菩薩行に近かろう、そう思えて「無言館」に引き寄せられた。
2011年6月9日木曜日
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