2019年9月18日水曜日

★奥の細道紀行 第97章 塩竈市①千賀の浦

奥の細道》《五月雨の空聊(いささか)はれて、夕月夜(ゆうづくよ)(かすか)に、②(まがき)が嶋もほど近し。蜑(あま)の小舟(おぶね)こぎつれて、肴(さかな)わかつ声々に、つなでかなしも(★註1)とよみけん心もしられて、いとゞ哀(あわれ)也。其夜、③目盲(めくら)法師の琵琶をならして奥上(おくじょう)るりと云ものをかたる。平家にもあらず、舞にもあらず。ひなびたる調子うち上て、枕ちかうかしましけれど、さすがに辺土の遺風忘れざるものから、殊勝に覚らる。》
★註1 「つなでかなしも」 「つなで」は綱手、引き綱。《陸奥はいづくはあれど 塩竈の浦漕ぐ舟の綱手かなしも(古今集・東歌)曾良随行日記』『‥‥出船。①千賀の浦(★註2)・②(まがき)・都嶋等所々見て、午の剋(正午)松島に着船。』
註2 千賀の浦は塩竈湾のこと。歌枕。
籬が島から見た千賀の浦(塩竈湾)。埋立てられ港湾整備されて、千賀の浦(歌枕)のイメージは全くない。
 ↓松島湾周遊観光船の発着港
 ↓海上保安庁の基地と見える。大型艦艇が二隻停泊。




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