2012年4月24日火曜日

〇ゴッホが魅了された黄色


土手道に黄色が溢れ出した。背の低いタンポポが大振りの黄色の花を一斉に咲かせている。目を奪われる綺麗な黄色。こんな綺麗な黄色を見ると、吾輩はゴッホのことを思う。ゴッホは黄色が好きだった。正確に表現すると、ゴッホの時代に初めて出現した化学的製法で産み出された黄色の顔料・絵具の妖しいまでの純潔さに魅了された。魂を奪われた。ゴッホは新しい絵具の黄色に意思の力を見た。意思の人だったゴッホは自己を表現し得る絵具を手中にして興奮した。以後黄色との格闘を続け、そして精神を病んだ。最後に「烏のいる麦畑」の不気味な絵を描き遺して自決した。灰色の冬を越して春になり最初に現れて来る色が黄色。黄色は確かに生命の神秘的意思を象徴する色なのだ。黄色は他のどんな色と競合しても勝つ。黄色はヒトの可視光線のど真ん中に陣取る。面白いことにカラスはこの黄色の光線帯が不可視らしい。黄色のゴミ袋は見えないからつつかないらしい。

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