北陸は梅雨入り宣言があったが今日は晴れ。七尾湾に浮かぶ能登島に渡り「海とオルゴール」という喫茶店に坐ってコーヒーを飲みながらブログを書こうとしている。春の写生シーズンが終わって「流浪の画家」としては手持ちネタがなくなった。この店に来れば何かあるかもと思ったら果たしてあった。この店のママは能登島に数年前から棲みついたイルカ達が大好きで、余暇さえあれば彼らに会いに行く、島のじぃちゃんの漁船に乗せて貰って。ママは勝手にイルカ達に名前を付けている。毎年子供が生れイルカの家族が増えているが、新家族の名前も勿論ママが命名する。イルカ達もママの声・顔姿を識別し家族然として受け容れている。一般観光客を迎える時と態度が違う、船の船頭じいちゃんもそう言う。イルカ達とママは互いに愛情愛着信頼という家族的絆で結ばれている。そういう間柄であればこそ撮れた(そうでなければ撮れない)写真が店にある。二頭のイルカがママのカメラを意識し気を合わせてポーズをとってくれたとしか思えない絶妙の写真。僕は奇跡の一枚と呼んでいる。
ママが言うには――目が合っている子はウィンクしている。まさかと僕は思ったが、よくよく観ると↓本当にウィンクしていた。
この写真、プロのカメラマンが百年かけても撮れない。腕前技術の問題ではない。ハートの問題。
イルカは頭が大変良い。情が深い。イルカの大脳の解剖図を観ると、容量はヒトよりかなり大きく、表面の皺もヒトよりずっと細かい。ヒトよりも頭が良いと推測される。イルカの運動能力がヒトを桁違いに凌駕していることは水族館でお馴染み。遊び好きで愉快な仲間であることは外洋を航海すれば直ぐに分る。探知認識力、記憶力、判断力などが抜群であることも付き合ってみれば直ぐに分かる。ヒトにあってイルカにない能力として特筆すべきは言語能力。しかしこれとてもイルカはヒトの様に声を出して話せない手を使って書けないというだけで、何せヒトより相当発達した大脳の持主のこと、どんな身体器官をどのように活用駆使してどんな言語を実は操っているものか分かったもんじゃない。こんな写真を撮ったママはひょっとして…イルカ語を理解していたりしてf(-_-;)
人は言葉を持った時から「地獄」を知り、知った時から地獄に落ちるようになった。イルカは多分地獄という言葉を持たない。イルカの世界に地獄はない。「海とオルゴール」のママはブログを書いている。「海とオルゴール」で検索すればhitする。読めば分かるがそこで語られるのは詩の世界。ママは詩人。イルカも多分詩の世界に遊ぶ詩人。詩の世界に遊ばねば人はイルカのこのような振舞表情に遂に遭うことは叶わぬだろう。
この写真、人を癒すオーラを発しているらしくて病院で入院患者さんが終日手にして離さないそう。
2009年6月22日月曜日
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