2011年6月9日木曜日

2007.3.5 信州上田市「無言館」

もう4年も前のこと、女房と信州上田市の「戦没画学生慰霊美術館・無言館」を訪れた。館主・窪島誠一郎氏の至高悲痛な設立趣旨に打たれた。道案内が乏しくて到達するのに難渋した記憶がある。吾輩も絵を描きだしていた。それも人生の舵を芸術の方に切る覚悟で。だから、戦没画学生の無念さは痛切に分かった。それにしても、館主の戦没画学生の遺作の蒐集救済供養に懸ける意志情熱は人間のものとは思われなかった。菩薩行に近かろう、そう思えて「無言館」に引き寄せられた。



展示作品の評価については論じても仕方がない。「無言館」は、志半ばで戦地で散らざるを得なかった画学生の無念に対する鎮魂と、戦争とは何であるかを無言で語る場なのだから。
この後、窪島誠一郎氏のことで劇的な報道記事に接して驚かされた。彼は戦時中親と離れ離れになり貰い子として育てられた。その彼が実父と廻り逢えた。実父は作家「水上勉」。劇的。
この「無言館」が、客足が遠のいて経営危機にあるらしい。近々また訪れて、館主の魂・志に触れて来よう。戦没画学生の絵も別の見え方がするかも知れない。

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