2012年12月2日日曜日

〇「虎渓山・永保寺」は観光寺院ではない。拝観料など一切取らない。臨済宗南禅寺派の修行道場。

〇永保寺の参道のど真ん中に「寺告」立札がデンと立っている。
↑ 「門限(防火防犯の為) 午前五時より午後五時まで」。ナヌ!午前五時よりやとぉ。ということは(受付番が居る訳ないから)拝観料なしという訳。
↑ 「‥臨済禅の修行道場に付き 団体にて入山の場合寺務所の許可が必要です‥」。観光寺院なら団体客を歓迎する(団体割引制はその端的な現れ)。中には個人客を露骨に嫌う寺院もある。永保寺は修行の妨げになる団体客の大挙喧噪を嫌っている。ボクはこの「寺告」だけですっかり永保寺がお気に入り。しかも境内に入ると眼を瞠らせられることになる。天下の名勝庭園に国宝「観音堂」が建ち、境内奥に国宝「開山堂」がひっそりと建つ。素晴らしい。観光寺院としての値打は超一流。それがその途を選ぼうとしない。ここが素敵。永保寺の戒律は厳しい。境内は凛として鎮まっている。この寺の維持費は喜捨によるのだろう。
ボクは数珠・御守等を売っている小屋で絵葉書を買った。そこの寺僧らしきオジサンが教えてくれた。「一年に一度三月十五日に来ると観音堂・開山堂・六角堂の中まで入って御本尊を直に拝めます」。「今日から一年間で一番厳しい修行が一週間始まっている。十二月一日は釈迦が悟りを開いた日とされていて、一週間を一日と見立てて修行をする。この一週間横になって寝ることは許されない。眠るのは坐りながらあるいは立ったまま」。栄西の臨済禅では気合が大事で出された公案に対して参ったと唸らせるような答えを吐かねばならない。まさに臨機応変・闊達自在。因みに道元の曹洞禅の極意は只管打坐(しかんたざ)。ひたすら坐禅する。
虎渓山・永保寺の写真は楽しみにしてくれていいですよ。

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