2011年7月13日水曜日

7/13(水)「迷える者の禅修行」ネルケ無方師著

表紙・帯
アマゾンは恐るべき本屋。ネルケ無方師の新書本が出版されたというので買おうと思っていたら、Webで勝手に向こうから案内が来た。吾輩の心理を読み切ったかのよう。Amazonの顧客情報の蒐集・分析力は恐るべきもの。個々人の性癖・関心・嗜好・傾向にjust fit させた情報を適宜に送り込んでくる。吾輩はすぐに注文。直ちに配本してきた。街の本屋さんは太刀打ちできない。
ネルケ無方師は未だ若い。43歳。ドイツ人。日本に19歳で来日して禅修行に励んできた。その修行内容そのものが、日本仏教(家業仏教)に対する痛烈な批判になっている。その到達している境地は、日本仏教(葬式法要サービス業)の堕落ぶりとの対比が鮮やか。師は既に菩薩行に入っている。道元の境地によっぽど近い。それにしても西洋人・ドイツ人の彼がどうしてこれだけの東洋思想の理解者・実践者になれるのか。奇跡的。「正法眼蔵」を肇とする仏典の読込み理解度は驚異的に深い。天分がある。彼の追求するのは釈迦の系譜。真言密教などは釈迦仏教と無縁と見ている。やはり禅修行となる。現在「安泰寺」住職。寺は兵庫県(但馬国)山陰・浜坂から山中深く入った所にある。自給自足の禅修行道場。ネルケ無方師はこれから色々足を引っ張られることになろうが、生涯的には偉大なる禅師になる期待が大。吾輩が請負う。吾輩はもう「安泰寺」を訪門したくてウズウズしている。だが、バス停から4kmも道なき道を登るのだそう。ウーム。

この新書本、日本人学僧でこれだけの内容のものをこれだけの表現力で書き表せる者がどれだけいるか、いないのではないか。

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