2016年8月18日木曜日

〇《奥の細道紀行》8-11(木) 日光「裏見の滝」。前回豪雨で見れなかったので雪辱戦に挑戦

〇日光「裏見の滝」に辿り着くことは今度の旅行の眼目の一つだった。《奥の細道》で芭蕉はハイライト場面の一つに取り上げている。
廿余丁(にじゅうよちょう)山を登つて瀧(たき)あり。岩洞(がんとう)の頂(いただき)より飛流(ひりゅう)して百尺(はくせき)、千岩(せんがん)の碧潭(へきたん)に落(お)ちたり。岩窟(がんくつ)に身(み)をひそめ入(い)りて瀧(たき)の裏(うら)より見れば、裏見(うらみ)の瀧(たき)ともうし伝(つた)えはべるなり。しばらくは瀧(たき)に籠(こも)るや夏(げ)の初(はじめ)
前回の奥の細道紀行の旅では「裏見の滝」の入口まではセレナで辿り着いたが豪雨に遭い滝への難路を辿ることを断念した。今回は何としてでも滝まで行き着く覚悟。


↓ここからいよいよ徒歩で滝道に入る。距離はたった500mだそうだがさてどうなるか。
↓早速ボクの最も苦手とする段坂登り。


↓滝が見えてきた。


↑↓これが主滝「裏見の滝」らしい。明治時代に滝の落ち際の岩が崩落し以来一条の滝となったそう。
↓湧出水が細い滝となって幾条も落ちている。白糸の滝の趣がある。
落ち際の岩が崩落して一条の滝となっている今の落ち際の具合はかくの如くV字型にえぐられている。しかし芭蕉が訪れた当時の滝の落ち際は向かって左側にも直線的に伸びていて、滝の形状はいわばすだれ(簾)型だったろう。そして簾の裏側にあった・滝を裏から見れた洞窟というのが↓写真中央の暗い凹み部分だろう。この凹みの表を簾状の滝が落下していた。
↓芭蕉が(多分)籠った洞窟に至る昇り道が見て取れる。左下から昇って行く。
↓凹み部分(洞窟)への昇り口の少し左にこの綺麗な滝がある。
↓さらに左にある滝も風情がある。
↓もっと左にあるこの滝は、滝というには可憐すぎるが細い水糸が幾筋も尾を引いて繊細な美しさを感じさせる。
↓裏見の滝を後にする。
〇芭蕉の滝の表現がいかにもかさ高なのがよく分かる。文学的誇張があるのだ。芭蕉は写生を旨としたわけじゃない。

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