2011年8月24日水曜日

◇秋篠寺「伎芸天立像」ポスターを事務所の壁に張った


吾輩はこの立ち姿に惚れ惚れとする。いつまで見詰めても飽きない。それで、秋篠寺で買ったポスターを事務所の応接室の壁に張った。これでいつでも見に行ける。この仏像は悲痛な運命を歩んできた。奈良時代造の乾漆像だったが、火災に遭い、頭だけを残し頸から下を失った。鎌倉時代に至り、或る仏師が首から下を制作して差し上げた。寄木造りだった。しかし、全く違和感がない。余程の仏師・芸術家の手になると思われるが、その名は知れていない。その仏師は、頭だけ残された伎芸天の余りに美しい面差しに魅了されて想像力を掻き立てられ、この仏像が本来有すべき胴体を一心不乱に刻み上げたに違いない。この様な運命の下に蘇ったこの仏像こそ芸術作品そのものであり、刻んだ仏師は真の芸術家だった。それにしても美しい。↓伎芸天像の面差しが分かる写真を掲載する。絵葉書からの引用。


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