2012年2月25日土曜日

〇西国33所観音霊場・第17番「六波羅蜜寺」

西国33所観音霊場巡りの旅はやっと道半ばを越えた。巡礼は楽でない。ここは17番札所「六波羅蜜寺」。京都市東山区五条大和大路所在。真言宗智山派の寺院。六波羅探題のあった所。平安末期には平家一門の邸が甍を並べていた。それ以前、この辺りを含めて鴨川の東岸一帯は東山にかけて葬送地だった。貴族も死ねば庶民と同じく質素な野辺送りを受けて鳥野辺の煙となった。官寺の僧は葬式に携わらなかった。葬送に関与したのは私度僧(乞食僧、聖、上人)だった。南無阿弥陀仏を称えて鳥目を頂戴した。空也上人もそのような聖の一人だった。↓本堂。六波羅蜜寺の境内は今は狭い。道も狭いので本堂の全容をカメラに収めるアングルがない。
↓弁財天堂
↓本堂に向かって前方左隅に立つ銅造・十一面観音像。吾輩は最初の訪問ではこの銅像を無視した。しかし再訪したときこの銅像を重視した。その訳は‥‥六波羅蜜寺の最大の魅力は、本尊・十一面観音像が国宝であること。ところがこの国宝、秘仏で12年に一度、辰年にそれもたった1日しか開帳されない。余命幾ばくもない吾輩には御縁のない本尊だと情けない思いをしたときに目に入ったのがこの銅像。吾輩は直感した、この銅像は国宝本尊の似像に違いない。そっくりそのままに造像してなかろうが、イメージは似せてあるだろう。
そう思ってこの銅像の前に立つとなかなか味わい深い。
さらに第27番札所姫路市「書写山・円教寺」を訪れたときその山上の参道に西国33所霊場の観音像が出来栄え好く並んでいるのに遭遇した。一つ一つ鑑賞しながら歩いているうち六波羅蜜寺の国宝本尊に巡り会った。本物の面影を宿しているに違いない、そう思って撮影したのがこの写真。
本堂・正面。掲額には「六波羅蜜寺」とある。
以下の写真の一部は「日本の仏像・六波羅蜜寺空也上人像と東山」講談社より引用。
本堂・内陣。厨子の中に多分国宝・十一面観音立像が安置されている。
↓滋賀県高月町の渡岸寺(どうがんじ)に国宝・十一面観音立像(最高の国宝)を何度目かに訪ねたとき、傍に「高月町立観音の里歴史民俗資料館」があるのに気付いて入館した。そしたら何と2階に上がる踊り場の壁に国宝十一面観音立像全七体の全身像が貼り出されていた。吾輩は六体は実見していたが七体目の六波羅蜜寺の十一面観音立像には縁がないと諦めていた。それがいきなり写真と雖もその全身像に御目にかかれた。僥倖は何処に転がっているか分らない。心掛けの賜物というしかない。

↓これは六波羅蜜寺の案内パンフの表紙。以下の写真の殆どは、このパンフと絵葉書からの引用。
空也上人立像・重要文化財
南無阿弥陀仏と六字名号を称える上人の口から六体の化仏が生じている。
平清盛坐像・重要文化財

地蔵菩薩立像・重要文化財

運慶・湛慶坐像・重要文化財
湛慶坐像
地蔵菩薩坐像・重要文化財

薬師如来坐像・重要文化財

四天王像・重要文化財
閻魔大王坐像・重要文化財

六波羅蜜寺に行ったら、宝物館に足を運ばねばならない。本堂の裏手にある。あっ今気が付いたが今年は辰年。本尊国宝を拝観できる年。Netで検索したら、開帳日は11/17(土)となっている。

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