2012年8月28日火曜日

〇生涯手許に置くつもりの絵が、離れていった。

〇この絵は、2009/5/3に長野県駒ケ根市東岸火山で描いた。珍しく気象に恵まれた日で中央アルプスの山並みが清々しく見えた。気分が好くて筆も順調に運んだ。そのようにして気持の良い現場で気持好く生まれた 会心作の一つなので、人の手に渡す気などなかったのだが、今日、ボクの手を離れることになった。前々から絵を一枚所望されていたんだが、どうしてもこの絵が欲しいという。この人は、ボクの絵を大切にしてくれる人に間違いないと確信していたので、断腸の思いで手離すことに決めた。この愛着のある絵を手放すときの身を切られるような思いは、なかなか人には理解してもらえないだろう。それは、現場で描き終わったときのあの疲労感と裏腹。ボクの人生・命の一部を切り取って画面に移し替えたものが絵、と謂えば分って貰えるだろうか。そんな大袈裟なぁ、という受け取り方もあろうかと思うが、絵を描いているときの集中力・持続力を大脳の中に生み出し続けるための苦労たるや、ちょっと余人には分って貰えないものなのだ。この絵のサイズは10号ほど、それを2時間強ほどで描く。大変な集中力を要する。色・形を大脳で掌握・整理し、画面に納得的に表現するという精神的作用は、恐るべきエネルギーを要する仕事なのだ。
この絵を描いた、あの好日の思い出と苦心苦労を忘れないために、ブログに掲載しておくことにした。

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