2011年4月19日火曜日

4/16(土)、越前竹人形の里(1)

目指す「越前竹人形の里」は、丸岡と勝山の間にある。進行中油絵になる風景に遭遇。何の変哲もない農村風景だがこの空気だと絵になると直感。急ブレーキを踏んで撮影。越前竹人形の里
物産館の左に工房見学の門がある。
受付までの通路。入館料は400円(300円だったかな)。
材料の竹の書類。
懇切に説明してくれる職人さん。竹ナタで、人形の髪にする竹を細く細く割っている。指の触覚を頼りに等均一の太さに仕上げて行く。径1mmの細竹を半分に割き、それをさらに半分に割く。
竹の繊維の髪は植毛される。
首は、竹を入子状態にして仕上げる。
頭部の大きさ・厚みを確保する方法は、二つ。
一つは竹を貼り合わせる。
もう一つは、適当な節の部分をうまく活かす。
頭に小穴を穿って植毛する。
この人が入口近くに坐っていて見学者に大声で説明を与えてくれる。写真を撮ってもいいんですかと訊いたら「勿論OKです」との答え。その大らかさに吾輩はこの工房が一遍に好きになった。何せ寺院回りで、勿体ぶった理不尽な撮影禁止措置が多過ぎて辟易させられているので。特に秘仏はいけない。拝観料を取る寺院で秘仏はない。仏像芸術として拝観を許さねば。秘仏で教訓となるのは紀州「道成寺」の秘仏観音像。千年間本当に秘仏とされ住職すらも目にすることはなかったが、本堂の解体大修理の際初めて日の目を見たとき、秘仏本尊は白蟻に食い尽くされ、食えない芯だけを残す杭の様な残骸と化していた。
この人にもカメラを向けてもいいですかと尋ねたら「いいですよ」。
これは、エジソンが白熱電灯のフィラメントに適した素材を全世界に求めて回った結果辿り着いた竹フィラメントの実験。竹を細く割いた(竹人形の髪材と同じ細さの)フィラメントが真空管の中で輝きを発している。
工房の奥に、竹人形の傑作の展示館があった。そこで過ごした時間の充実していたこと。京・奈良の国宝級美術品を前にしてもこれだけの充実感が漲るかどうか。次に越前竹人形の傑作選をお届けするのでお楽しみに。勿論撮影は自由。素晴らしい美術品を自由に選んだ角度から様々に撮ってみる、これが究極の鑑賞方法かも。

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