2012年10月26日金曜日

〇奈良市・秋篠寺「伎芸天像」――心に残る文化財(★)

〇 秋篠寺は奈良市の北北西郊外にある。
↓ 国宝・本堂


本堂内でひときわ芸術的光芒を放っているのが、↓この伎芸天像。重文。この像は美術的には一級の国宝の価値がある。それが何故重文止まりなのか?その謎は、この像が辿った歴史を読むと直ぐ解ける。この像は火災に遭って首から下が焼失した。平安時代作の頭だけが寺に残されていた。それを、鎌倉時代になり仏師が胴体を作り頭を載せた。胴体は木造、頭は乾漆木造。この頭と胴体のちぐはぐが「国宝」指定を妨げているとボクは推量する。胴体に比べて頭がちょっと小さい感じがするのは制作経緯から来たものか。「伎芸天」とは経典に出自があるらしいが、この像が本当に伎芸天なのかどうかははっきりしていない。


↓ 大元帥明王像・重文
本尊・薬師如来坐像、重文
帝釈天立像・重文

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