2012年10月4日木曜日

〇山本周五郎「さぶ」を読んで。

山本周五郎の晩年の作品「さぶ」を読了した。さぶが主人公かと思ったが、読んでみると主人公は栄二という表具職人。それにおのぶ・おすえという女性が配される。周五郎の人物眼・構想力・筆力の抜群さが如実。山本が世に出た当時、純文学・私小説が幅を利かせ周五郎的小説に大衆文学のレッテルを貼って下に見ていた。山本周五郎の小説の上を行く純文学小説にどんなものがあったのか。純文学・私小説というジャンルが幅を利かせていた時代は今から思えば実に愚かな・文化水準の低い時代だった。山本周五郎は直木賞を辞退したそうだが、本物の文学者の反骨・皮肉精神の表れで痛快。さすが山本周五郎\(^o^)/

0 件のコメント:

コメントを投稿