2019年11月8日金曜日

★奥の細道紀行 第162章 山形県戸沢村最上川「仙人堂」

奥の細道『‥‥(最上川は)板敷山(いたじきやま)の北を流れて、果は酒田の海に入る。左右山覆ひ、茂みの中に船を下す。是に稲つみたるをや、いな船といふならし。白糸の滝は、青葉の隙々(ひまひま)に落ちて、仙人堂岸に臨んで立つ。水みなぎつて、舟あやう(ふ)し。 五月雨をあつめて早し最上川
〇「板敷山」 歌枕
「みちのくに近き出羽の板敷の山に年ふるわれぞ侘びしき」(夫木和歌集・詠み人知らず)
「世をいとふすみかは苔をしと寝にて山の名にさく板敷もなし」(六帖詠草・小沢沢庵) 
この山がどこにあるのかずっと分らなかったが、どうやら仙人堂から見て最上川の対岸に見える山がそうらしい。標高630m。
〇「いな船」 歌枕
「もがみ河のぼればくだるいな(稲)舟のいな(否)にはあらずこの月(月経)ばかり」(古今和歌集・東歌詠み人知らず)
「つよくひくつなでと見せよもがみ河そのいな舟のいかりおろさで」(西行・夫木集)
↓「仙人堂


仙人堂に参詣するには渡し船に頼るしかない。渡った先の最上川右岸には道がない。
↓船着き場の奥に鳥居が見える。


鳥居の左側に仙人堂が見える。
↓仙人堂
〇「仙人堂」は、外川神社ともいい、源義経の家来常陸坊海尊が主君の平泉への道中の安全を祈念するために、この堂に籠って修行し、遂に仙人になって400年に亘り主君の事績を語り伝えたという伝説をもつ。

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